◆抵当権◆
◆373条
同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は登記の前後による。
■内容■
・優先弁済の順位、先順位の抵当権が優先して弁済を受け、後順位の抵当権者は先順位の抵当権者が優先弁済を受けた残余についてのみ弁済を受けることができます。
例:Aさんの土地(1000万)にB,C,Dが抵当権設定をし、Aが借りていたお金を返済することができなくなったので1000万で土地を競売した場合。抵当権は下の順番で入っていた。
1番抵当権 : B 500万
2番抵当権 : C 300万
3番抵当権 : D 300万
(結果)
Bが500万、Cが300万、Dが200万の弁済を受けることができる。
Dは債権の全てを回収することができない。
Dの後に抵当権を設定すると全ての債権回収の期待がない。
だから、抵当権設定をするときは、事前に他の抵当権が設定されていないのか要チェックやで。
◆374条(抵当権の順位の変更)
1項
抵当権の順位は各抵当権者の合意によって変更することができる。
ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
2項
前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ効力を生じない。
■内容■
順位の変更の要件
①順位変更する抵当権者全員の合意があること
②利害関係人の承諾があること
③順位変更登記をすること
①順位変更する抵当権者全員の合意があること
例: 順番が変わる前と後を矢印で結んで交わる人は、合意が必要。
※矢印を引きたいけど斜めに矢印を引くテクニックがありません。
(パターン1)
変更前 変更後
1番抵当 A B
2番抵当 B C
3番抵当 C A
この場合は、全員の合意が必要。
(パターン2)
変更前 変更後
1番抵当 A C
2番抵当 B B
3番抵当 C A
全員の合意必要。
Bは順番は変わっていなくてもCとAの金額の違いで回収できる額に影響を受けるから
(パターン3)
変更前 変更後
1番抵当 A A
2番抵当 B C
3番抵当 C B
Aの合意は不要。
B・Cの合意が必要。
②利害関係人の承諾があること(但し書き)
抵当権の利害関係人→転抵当権者や被担保債権の差押債権者
③順位変更登記をすること
2項に、その登記をしなければ効力を生じない。とあります。
177条で登記は対抗要件と定めているが、抵当権の順位の変更の登記では、効力発生要件。
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